言水制作室内外

言水ヘリオの日記

2021年8月9日(月)〜8月15日(日)

2021年8月9日(月)
手の中のゆでたまごの殻が
ひび割れてきて中が見える。
うぶ毛と細い脚を確認し、
これは孵化してしまうな、と思う。
たまごの中の存在はやがて足を投げ出して仰向けで寝始めた。
夜、テオ・アンゲロプロス監督の『シテール島への船出』を見る。
映画を見る前は天井にいた甲虫が床で仰向けになってもがいていた。
外に放ったので生き返ってほしい。


8月10日(火)
起きて食事してメールしたら21時になっていた。
この場合問題は何時に起きたかということだろう。
テオ・アンゲロプロス監督の『狩人』を見て朝になる。
その後メールを送信。
太陽は光ではなく火である。


8月11日(水)
9時に寝て16時すぎに起きる。
部屋の植物がすべて枯れてきた。
根のないものは腐り始めている。
図書館で本を3冊借りる。
排水溝が詰まってきたので掃除する。
キム・チョヒ監督の『チャンシルさんには福が多いね』を見る。


8月12日(木)
一日中、台所のごきぶりを捕まえていた。


8月13日(金)
引っ越す前に、机の上のスキャナーを処分することに決める。
今度こそ日本橋の近くの三畳間に暮らしたい。
SCSIのスキャナーが、新しいMacに繋がるだろうか。
期限切れのアルファ化米にお湯を入れるため
パッケージを切り開いたとき、米をぶちまけてしまった。
テオ・アンゲロプロス監督の『こうのとり、たちずさんで』を見る。
まだ暗い頃、おもてに出てとなりの島を眺める。
星は遠くにある。花は近い。


8月14日(土)
花屋で花を見て、スーパーで買い物して帰宅。
ときどき雨が激しく降る。
深夜、警報のサイレンが鳴る。
テオ・アンゲロプロス監督の『蜂の旅人』を見る。
船と橋。屋台と食堂。
道端の雑草を摘んでくる。


8月15日(日)
目覚めてカレーライスを食べる。
本を読もうと思いながら別のことをしてしまい1ページも読めない。
夜はささみを細切れにしてカレーをつくる。
部屋がごきぶりに占拠される前に、
黒出目金の群れを釣り上げなければ。
ギャラリー蒼穹舎で「横地美穂写真展 椰子の実Ⅲ」を見て、
その後写真集『椰子の実』を読んで記した文が
『Mercure des Arts』に掲載。
http://mercuredesarts.com/2021/08/14/yokochimiho-yashinomi_iii-kotomiz/

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